お菓子を贈る起源は、餅のおすそ分けから始まりました。
日本では、「菓子折り」と云う言葉あるように古来よりお菓子を特別な折箱に入れ贈り贈られるという文化が根付いています。
これは、冠婚葬祭の儀礼、季節の行事、旅のお土産、感謝やお詫びの気持ちを伝えるとき。そしてそれぞれの「お返し」に使われてきました。
お菓子を贈るという歴史をさかのぼると「餅」に行き着きます。米からつくる餅は、太古の昔から、収穫を祝う祭りや祖先の供養などの供え物に欠かせないものでした。もち米を蒸してついたのは、お祭りや地域行事の参加者にふるまうことで、お互いの関係を深めるという役割を果たしていたのです。
また餡で餅を包んだ「ぼた餅」(おはぎ)は、春分と秋分に、墓参りをして祖霊を供養する時期に食べられますが、これなども供え物の餅を皆で食べる風習が変化しただと考えられます。
特に農村では、手づくりしたぼた餅を大量に用意し、親類縁者や隣近所に配っていました。現在では、このような習慣は少なくなってきていますが、人間関係を深めることができる日本の伝統は継承していきたいですね。